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戦後間もない日本。誰もが貧しかった。
僕の町は幸い戦火から逃れることができたらしく、それでも乏しい物資をみんなで分けあい必死で生きていた。
僕と隆は、日本にやっと明るい兆しが見え始めた、昭和30年代に生まれ育った。
隣同士で同い年の幼なじみということで、僕らは物心ついたころからいつも一緒だった。
隆は優しい子だった。父親は昔から体が弱く、隆が幼いころに亡くなった。
母親と隆、そして妹の美代子と貧しいながらも父親が残してくれた家のおかげで路頭に迷うことは無かった。
僕には中学校の教師を勤める父と母、そして弟が2人いた。
僕達家族は、隆達と自分の家族同様に過ごしてきており、隆の父親が死んだあとは、僕の父も母も更に隆達を自分の家族として助けた。
隆の母親は、日払いの土方仕事をしたり、近所の人の服の修理なんかをしながら、隆達を養っていた。
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