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噂は噂を呼び、桜の樹の下にたたずむ兵隊の霊をみたという者や、火の玉を見たと言う者が現れた。
そのため、生徒達は皆怖れ、校庭の隅には行かないようにしていた。
ところが隆は違った。
「怖いなんて言ったら、兵隊さんが可哀想だよ」
いつもそう言った。
僕はそんな隆に付き合って、時間があればいつも桜の樹の下で過ごした。
春には満開の花の下で、将来のことを語り合ったり、夏の暑い日はその葉が強い日差しから守られながら穏やかな時間を過ごした。
小学校卒業までの間本当に僕達はいつも一緒にいた。
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