EP.1 鼓動

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「ようやく見つけた……」 仮面の下から発せられた男の声は、鉱石の詰まった洞窟の中で木霊(こだま)する。 見上げた先には巨大な柱がそびえ立ち、その中心部は虹色に輝いていた。 「こちらがなぜ一切の反応を感知出来ないのか、理解できましたよ」 男は足元に転がった鉱石を一瞥する。 柱へ放り投げたところ、一瞬のうちに黒焦げになって跳ね返されたそれは、軽く蹴っただけで崩れてしまった。 柱には夥(おびただ)しいほどの呪文が刻まれ、異質なオーラが漂っている。 「セメオダ式の陣とは……ずいぶんと(ふる)い。 幻の絶対防御を目に出来るとは、ありがたいですねぇ。 その上、鳴術(めいじゅつ)まで付けられていては並大抵の者は手出しが出来ませんね」 男は手袋を()め、柱へと近づいていく。 一歩ごとに男の周りで火花が散り、その威力はどんどんと増していく。 「これが絶対防御の力……近付くことすら拒絶するわけですか」 男が腕を伸ばした瞬間、強烈な閃光が走った。
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