‡資源一‡

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俺達が通う高校、《市立芦ノ城高等学校》の近くには、大きな湖があり《芦ノ城湖》(あしのしろこ)と言う。 その話しは今の話しには関係ないのだが、俺の好きな風景だから少し紹介させてもらった。 さて、現在クラスでは〈資源〉の授業をしている。 来年四十になる我らが担任、梅津敦志(うめづあつし)が小難しい文章を説明してる所だ。 この先生は何処にでもいるオッサンだが、人柄が良く生徒に人気がある。 「えーーっと、〈資源〉と言うのは、前にも説明したな。 まあ、何だか信じられない話だが最近の研究で分かったように、一人一つの、物質または現象、さらにはエネルギーや音、文字、映像までも操る……いや、使用できると言った方がいいな」 一人の生徒が質問した。 「梅津せんせ~。どうして一人一つしか〈資源〉を使うことができないんですか? それと使えない人もいるのは何故ですか?」 梅津先生は教科書のページを指示して、説明を始めた。
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