一日目

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宿は中に入ると、みかけよりひろかった。 和風なかんじ。三階建てで、綺麗だった。 「ほぉ、これが律の宿かぁ。綺麗だね」 「まぁな」 照れくさそうに、頭をガシガシかく。 「とりあえず、お前の部屋に案内するよ」 そういい、エレベータのボタンを押す。 「お前のって、あたしだけの?」 目をキラキラさせ、律を見つめる。 律は、困ったように笑い 「お前と彩ちゃんと千春ちゃんの部屋」 と言った。 「な~んだ」 あたしは口をとんがらした。 「まぁ、いいだろ?最初は俺とお前で一緒の部屋だったんだぜ?」 「うぇえ!?」 チーン エレベータがきたので、エレベータに乗るあたし達。 「なっ何で?」 「彩ちゃんと佑太はカップルだろ?」 といいながら、三階のボタンを押す。 うん、うんと激しく首を縦に振る。 「千春ちゃんと秀はカップルだろ?と言うことは?」 「わかりません」 「即答かよ。まぁ、いいや。だから、彩ちゃんカップルで「わかりません」 「少しは聞けよっ」 バシッと頭を叩く律。 「簡単にいうと、恋人は夜は共に過ごすものなの!」 「だから、彩と佑太で部屋ひとつ。千春ちゃんと秀さんでひとつの部屋ってこと?」 「そーゆーこと。…着いたぞ」 チーンと音とともにエレベータの扉が開き、あたし、律の順で出た。 「………ここがお前達の部屋だ」 205と書いてある部屋だった。 「それで、男子組は隣の部屋だから」 「206号室か」 ニヤッと律は笑い 「別に俺とお前の部屋にしてもいいんだぜ?」 と言った。 「何いって……」 あたしが言い終わる前に、律があたしの顎を指で掴み、律の顔があたしに近づいてきた。 え…………?これって? ぅキッ………キス!? 「うひゃゃゃやゃ!!」 と、叫び、律の顔を手で押した。 「いでっ!冗談だってっ」 冗談と聞き、あたしは手を戻した。 「じゃあ、明日な?」 ポンポンとあたしの頭を撫でる律。 やっぱり、年上だなぁって思ったしたり……。 「うん…。明日ね」 恥ずかしくて、下を向いてしまう。 だってっ、あんな整った顔で頭ポンポンで笑顔だよ!? クスッと律は笑い、部屋に入って行った。 あたしは……… しばらく律の入って行った部屋を見つめていた。
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