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次の瞬間、フワッと体が浮かぶような感じがした。
え?何。何が起こったの?
真実が知りたくて、恐る恐る目を開けた。
さっきいた、スキー場の景色だった。
「あれ?確かに、あたし、落ちたのに…」
目の前には、さっきと何も変わらない雪景色。
「もしかして……あたし、空を飛んだのかな!?」
「…なわけねぇだろ」
「うえ?」
いきなり、つっこまれたので、まぬけな声を出してしまった。
「どちら様?」
後ろに居たのは、知らない男の人だった。
あたしより、少し年上かな?
「なのなぁ…」
と言いながらゴーグルを取る。
え?めちゃくちゃイケメンなんですけど!
しばらく、あたしは、彼の顔をぽやーと見ていた。
「梨香ぁ!」
彩の声で、現実に戻った。
「彩?どうした。涙目で」
「どうした。じゃないよっ。心配したんだからぁ」
と、彩は、あたしに抱きついてきた。
傍にいた佑太に目で助けを求める。
「あ~。ゴホンッ。梨香は、崖から落ちそうになったんだよ」
やっぱり、あたし、落ちそうになったんだ。
「そこに、この、イケメンスノボー様が助けてくれたんだよ」
そうだったんだ…。
「ありがとうございました」
ニコッと笑いかける。
このあと、彼の口から予想してなかった言葉が…。
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