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「なんで叫ぶ?見ろ、顔そっくりだろ?」
言われてみれば、秀さんを幼くした感じだな…。
でも…
「どこで道間違えて意地悪な性格になったんだろう?」
ぶっちーん。
なっ、何この音?
「お前なぁ~」
「ぎゃーーー!!」
奴がぶちギレた音だった。
「ごめんなさい!思った事が口にでちゃいました!」
「それ、誤ってねぇしっ」
「ストーーップ!」
あたし達の口喧嘩を止めたのは彩だった。
「梨香!これからこの…えっと、なんだけっけ?」
「律」
「ナイス、佑太!そうそう、律さんと一緒に行動しるんだから仲良くしなよ!」
「は?」
もしかして、彩の言ってたいとこってこいつなの!?
「そーゆーことだ。ヨロシクな、梨・香」
梨香を強調して意地悪っぽく言う。
「いやだぁ。この人とは、いやだぁ!怖いぃ!」
「この人じゃねぇ。律だ。律」
「何歳?」
「お前のひとつ上」
「律さんと一緒いやだぁ」
「律って呼べ、律」
「え?………」
なんか、急に恥ずかしくなってきた。
「あと、五秒で言わないとお仕置き」
「えぇ!?」
「五「ちょっま…」四「待って」三」
待って、待って!心の準備がっ。
「二、一」
あぁっ。もう、時間がないっ。
「ゼ「律!!」
「え?」
うぅ。そんな、驚いた顔しないで下さい。
「言ったわよ」
「…………ぷっ」
…………ぷっ!!!?
「ひどい!なんで笑うのさぁ」
「だって、クス、真っ赤だしクスクス」
「あんたが言わせたからでしょーが!!」
「ごめん、ごめん。ヨロシク。梨香」
ポンッとあたしの頭に手をのせてきた。
うわっ、笑顔…。
心臓がいつも以上にドキドキしているのがわかる。
……って、何ドキドキしてるのさぁ!
「クス、顔真っ赤、りんごかよ」
「うっ、うるさいっ!」
これが、あたしと律の出会い。
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