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睦月が急かすように、
「で、あんたは?」
「あっ、俺はね、日本を離れて、ハワイにでも行こうかなって思って」
「ハワイ?」
三人同時に驚いた。
「何しに行くの?」
「別に。目的なんてねぇーよ。まっ、俺のモットーは自由に生きる事だから」
「あんたらしいと言えばあんたらしいけど」
玲緒は一切、就職活動をしていなかった。
「と言う事で、今日、発つことになってるから。お前らとはここでバイバイ」
急な話に私達は唖然とするだけだった。
結局、飛行機の時間があるからと、睦月と楓汰はここで別れる事になった。
「悪いな。架音だけ付き合わせて」
「うんん」
「あいつと上手くやってんの?」
「うん…」
私は言葉が出てこず、ただ返事をしているだけだった。
「そっか…。幸せそうだもんな、お前。そうだ、今度、倉佐と二人でハワイ来いよ。向こうに着いて落ち着いたら住所連絡すっから」
「玲緒……」
「お前、なんつーう顔してんだよ」
玲緒の顔を見る事が出来なかった。
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