始まり

4/17
前へ
/160ページ
次へ
「ちょっと、ベットに上がるな」 「いいじゃん。お前と俺の仲じゃん」 (どんな仲よ……) 玲緒は少し、無神経な所がある。 外見を見れば、寄って来る女の子は確かに多い。 毎日大学で、女の子に追っかけ回されてるのも事実。 (こいつのどこが気に入ってんだろ…) 私は、玲緒の顔を眺めていた。 「何、見てんだよ。あっ、さては俺様に惚れたか」 私は無言で玲緒の頭を殴った。 「痛てぇーな。何、すんだよ」 話をはぐらかす様に、 「いつまでノート写してんの?すごい、邪魔なんだけど」 「へいへい、もう少しで終わるよ」 玲緒はノートに目をやりながら、 「なぁー、何でお前、彼氏作んないの?やっぱり、俺の事彼氏にしたいとか?」 「ハァ?何であんたなんか彼氏にしなくちゃなの?そんな事ばっかり言ってると殴るよ」 玲緒は頭を隠して、 「冗談だよ。怒るなよ」 「もう、早く帰れ」 (ハァー、こいつと一緒にいると怒鳴ってばっか…ちょっと疲れる…) 玲緒は、私に殴られない内にと、窓から自分の部屋へと帰って行った。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

760人が本棚に入れています
本棚に追加