Ⅶ-Ⅰ 一つ一つの言葉

9/11
前へ
/430ページ
次へ
「チーフ?」 アグニはそのエイナの言葉にそう反応した。エイナは笑顔でアグニを見た。 「うん。このコの正式な名前。」 エイナは犬を指差して言った。アグニは少し考えた後、 「まぁ、お前がそれでいいならいいが…どこから出たんだ、その名前。」 アグニが一応聞くと、やはりエイナは自信満々に名前の由来を皆に発表した。 「実は頭文字をくっつけたの。レオンの「キャット」の「C」、イアの「犬」の「I」、ユノの「フェネミジア」の「F」、それに私の「エスパニョーラ13」の「E」、後まあ「H」も無理矢理つけてChief。」 エイナは説明し、面々は納得する。 「おっ、なかなかいいな。」 「一応皆のアイデア入ってるしね~」 「納得」 レオン、ユノ、イアは何の疑問も持たずコンマ一秒でチーフに賛成する。 しかしその横で、しばらく悩んでいたアグニがエイナの前に立つ。 「待て。まずいつお前のアイデアはエスパニョーなんちゃらになった。それに俺のアイデアはどこへ消えた。「P」も「S」もどこにも姿を見せないんだが。というかスペルが違わないか?無理矢理すぎないか?」 アグニは必死に説得しようとしたが、エイナの一言で棄却される。 「駄目よアグニ、多数決で決まったんだから。」 「……訴えるぞ」 キコキコキコキコ…草原で、あまり聞き慣れぬ音がしていた。 友人に借りた最新の乗り物に乗り、その男は合流しようとアグニたちを探していた。 出会うまで約10分。
/430ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加