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「…時間が少ないから急ぎます。神に成る…というのは、恐らく神の戦いに関係する事なのでしょうが、問題なのは彼の思想。戦いの末に力を手に入れ、彼がしようとしているのは世界の破壊です。…何が彼をそうしようとしているのかは知りませんが、それを止めるには……うっ!」
「レイ!?」
光が揺らぎ、レイは苦しそうな声を漏らす。今にも消えそうな光だった。
「すみません…限界が近いみたいです。でも話さなくてはいけない。あの男を止めるために…」
「…」
レイは自らを奮い立たせるように言う。
「…それを止める唯一の方法は、彼が大陸各所に作り上げた5つの塔の機能を止めることです。…あれは彼が長い時をかけて作り上げた…最終兵器。大陸を破壊する為の物です。…ゼルファス本人を含む五人の人物がそれを管理しています。彼らのみが機能を止める事ができるのです。…または塔の破壊か、管理者の…死をもってでも…」
レイは、急ぐように早口で言った。アグニはレイの正体についての疑問を押さえつつそれらを頭に入れる。
「…どうしてそんな事を…?」
アグニは問うが、レイは先程の言葉で既に限界が近づいていたようだった。
「…すみません…もう…答える事は…。…私の意志は消滅します…」
「レイ!…おい…大丈夫か!」
レイは搾り出すように小さな出す。
「…残りの塔は…四つ……時間は…三ヶ月…。」
光が少しずつ消え、レイの声が小さくなる。かなり苦しそうな声に聞こえる。
「レイ…お前…」
「ア…グニ…さん…最後に…伝えたかった事があるんです…。…もう…二度と…会えそうにない…から……」
………ス………キ…………
「レイ!!!」
アグニは叫び、同時に視界が回転した。
気付けば早朝の光が目に入っていた。
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