98人が本棚に入れています
本棚に追加
/430ページ
よく分からない言い合いをするアグニとレオンだったが、エイナがそこに皆を集めて口を開く。
「でも、そろそろ正式な名前決めようよ。皆考えてみて。」
「「………」」
エイナの言葉に、アグニ、レオン、イア、ユノは頭を悩ませる。アグニが一番真剣なように見えた。
やがて時間が経ち、アグニ、レオン、イア、ユノの順番で名前を発表する。
「ソーマ」
「キャット!」
「……犬」
「フェネミジア伯爵っ!」
「「「「………」」」」
四人は互いの名前に呆れるような顔をした。
「お前、キャットとはなんだ。猫から離れろ、しかもそれは種族名だ。」
アグニはとりあえずレオンの名前に口を出し始める。
「ソーマよりマシだろ!何なんだよそれ!思いっきり人名じゃねーか!つーかあれだけ執着してたポチョムキンはどこに消えたんだよ!」
突っ込みの嵐を飛ばすレオン。だがアグニはさも当然という顔付きで、
「いや、このマヌケそうな顔にあの凛々しきポチョムキンは似合わん。ソーマで充分だろう。」
と言い放った。更にそこへユノが口を出す。
「えーっ!?絶対フィネミリア閣下だって!ね?そう思うよね、フェリミネリ大王?」
「お前はまず覚えてから発言しろ。」
ユノを一蹴するアグニの横でイアが
「…犬…」
と呟いたのには誰も気付かなかった。
「まったくお前ら…。エイナ、どれがいい。もちろんソーマだろうとは思うが。」
意味の分からない自信に裏付けされた態度で言うアグニ。しかしエイナからの返答は…
「…全員、論外。」
呆れ果てたようなその言葉に、四人はかなりの衝撃を受けた。
「なら…お前は何がいい、言ってみろ。」
アグニは悔しげに言い、逆にエイナはよくぞ聞いてくれたというような顔をした。ずっと言いたかったのだろう。
「ポピィMkⅡ。」
「「「「…うわぁ…」」」」
そして唯一興味なさそうな犬は、近くに生えていた花を食べ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!