膝枕

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「ふわぁ~ぁ…」 布団から身を起こせば、小さく欠伸と大きく背伸び。続けて自らの隣へと視線を向ける。 ふんわりと盛り上がっているそこには、一晩を共に過ごした人物が眠っている。状況を思い出すだけで赤面。散々泣いて、散々嬌声を上げて、苦しいと相手にしがみつき……。 ……なんてことをしていたんだ。 自己嫌悪。頭を抱えてみるものの、その問題が解決するというわけでもない。深く溜息を吐くと、隣の布団を軽く捲っている。 「随分とまぁ気の抜けた寝顔してやがる……」 いつもは人を寄せ付けぬ顔ような表情をしているやつが、今はこんなにも警戒心を解いて子供のような寝顔を見せている。 元親の顔に笑みが漏れる。布団から立ち上がり、部屋の襖を空けてみればもう高く上りかけている太陽からの日差しが部屋へ入り込む。 随分と眠ったな。小さく呟けば、未だ眠っている人物の枕元へとしゃがみこんだ。 「お~い元就ぃ。起きねぇのかー?」 返事は無い。ぐっすりと眠っている。暫く起きないかとジーッと見つめていると、何を思いついたのかニヤリと口元を緩ます。 そーっと手を伸ばしたかと思うと、突然元就の頬をひっぱった。ぐいー。そんな擬音語が目に見える。 しかし元就は目を覚まさない。どれだけ寝入っているのだろう…。疑問を飛ばしてみるが、それは解決の糸口を見せることは無く、ただ元親の目の前でひらひらと踊っている。 ……などと真剣に考えてはいるものの、実質それほど重要なことではないのは当たり前に目に見えていた。           →
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