プロローグ

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今から10年位前のことだろう。 ある1人の少年が長い眠りから目覚めた。 少年は起き上がり、辺りを見渡す。 本棚、机、テレビに椅子。 その中の机に、写真と小さな箱が置いてあるのに気付いた。 少年はベッドから立ち上がり、写真を手に取る。 写真には、二人の男女と、多分自分であろう少年の姿が写っていた。 写真の裏を見てみると、 「20XX年 05月 14日、千早の誕生日。」 と書かれていた。 それを見た瞬間、全てを思い出した。 この日、 誕生日に起こった、 あの出来事。 少年は、目から一粒の涙を流した。 「………………僕……頑張るから……お父さんとお母さんも……」 少年が、途切れながら口に出した。 そして、写真と一緒に置いてあった小さな箱を手に取り、 『必ず、仇をとるよ。』 と、小さな声だったが、固く決意をして写真を胸に抱き締めた。
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