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七海は今の幼稚園に浩介の転勤の為に転園した。
今では考えられないが、転園当初の七海は幼稚園に行きたがらなかった。
毎日泣いて登園する七海に幸恵と浩介は心を痛めていた。
幸恵はなんとか笑顔で幼稚園に通えるように
七海の小さい頃からのお気に入りだった熊のアップリケを靴下に縫い付けた。
『今日からは七海のお友達の熊ちゃんも幼稚園に行くのよ』
『熊ちゃんも?』
『そうよ、熊ちゃんも幼稚園連れてってあけてね』
『……うん。』
幸恵の策が講じたのか
七海は泣いて登園はしなくなり、しだいに友達も増えた。
啓介は『さすが、母親だな』と大喜びだった。
それから七海は『熊の靴下』を好んで履くようになり、
この日課へと続いていた。
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