ёプロローグ

2/2
前へ
/62ページ
次へ
指先― 足の先― 首に巻き付いた髪― お気に入りのアクセ― 体に纏った物全てが冷たく嫌にツンとする。 足の先でシャリシャリと砂が舞い 頬にヒリヒリと当たる海風もだんだんと感じなくなった。 波の音も気にならない。 ―どれくらい時間が流れてたのかしら― 女は体を海辺の闇に任せていた。 何も出来ずにただ海と夜の境目を見つめて ゆうに1時間は過ぎている。 女はゆっくり夜空を仰いだ。 女の吐く白い息だけが 女が生きてると告げ夜空に溶けて行った。 ―ねぇ?なぜ? ―あの時、私は間違っていたの? ―ねぇ、幸せ? ―ねぇ… 暖かい物が頬を伝った
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加