暖かい家族

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光に包まれたキッチン そこに女は立っていた 女の名前は幸恵。 主婦歴7年だが、ベテラン主婦とは言い難い。 (しまった💦醤油いれすぎた) 醤油で少し焦げた卵焼きを丁寧にフライパンの上で転がした。 (こうなったら、時間との勝負ね💨) 朝から鼻息荒く卵焼きに奮闘していると、 後ろからクスクスと笑う声が聞こえる。 振り向くと、歯ブラシ片手に 幸恵の夫・啓介が幸恵の奮闘ブリを覗いていた。 『今日もおいしそ❤』 なんて、泡のついた白い唇がニヤついている。 『もー!卵焼きって難しいんだから』 嘘である。 ま、小学生でも慣れれば幸恵より上手く作れるだろう。 『お弁当❤楽しみ❤』 なんて可愛く言いながら 啓介は洗面所に鼻歌交じりで消えて行った。 『もー!』 幸恵は口をへの字に曲げているが 目は笑っていた。 ふと、お世辞にも美味しそうとは言えない 奮闘1分焼き色たっぷりの卵焼きに目をやった。 (あー。やっちゃった…)
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