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『また、やっちゃった?』
目を擦りながら、そう聞いた主は
キッチンに小さい足音を鳴らしながら
幸恵の足元までやって来た。
『おはよう、ななちゃん』
幸恵がななちゃと呼ぶその小さい足音の主は
幸恵の愛しい宝物、七海だった。
『おはよ、お母さん。卵焼き失敗?』
まだ眠いのか目を擦りながら、卵焼きの出来栄えを心配している。
『大丈夫❤お母さんの卵焼きは美味しんだから❤』
『ん~。
タコサンは?』
やや、信じがたそうな七海はタコサンの出来栄えも心配そうだ。
『バッチーシ❤』
と、こちらは足をクルンと巻いた出来映えの良いタコサンウインナーを
幸恵は七海に見せてあげた。
『ほんとだ~❤』
七海の眠気の覚めない顔が柔らかく笑顔になると、幸恵も笑顔がこぼれる
『ほら、お着替えしておいで』
『ん~』
忙しいキッチンを邪魔されないように七海に着替えをうながすと、七海も促されたようにゆっくり着替えに向かった。
幸恵はタコサンウインナーの出来栄えに感謝しながら
またいそいそとキッチンで手を動かした。
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