暖かい家族

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『どうした?七海。お口が尖ってるぞ』 笑いかけながら啓介が七海の横に座り、 七海の可愛い口を摘まんだ。 (あっ、やっちゃった) 七海はムッともっと口を尖らせ プイっと顔を返し、椅子から降りて 寝室に逃げて行った。 ポカンと七海の後ろ姿を見送った啓介は 幸恵の方を向いた。 まさに顔にハテナマークがついている。 幸恵は 『もお』とばかりに目が語っている。 『え!?俺?』 と、驚き自分を指差す。 まだ啓介にはわかってない。 啓介すけは、頭をかしげて 何がいけなかったのかと 困ったような悲しい顔をした。 幸恵には、啓介の表情で啓介が考えている事がいつもよくわかる。 あまりにも、娘に逃げられてオタオタする啓介が可愛くて幸恵は 笑みを隠せず への字の眉で『ぷっ』と笑ってしまった。
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