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その時の令司の目は活き活きとしていて、自分の部屋でゲームをしていた頃とは比べ物にならないくらい輝いていた。
ユミル「まずその服装を直しましょうか」
令司は制服のまま…
その制服が、青白く輝き始めた。
そして、一瞬にして服装が変わった。
令司「…なんだこの服…」
妙にモコモコして、無駄に暖かい。
ユミル「氷の民の衣装です。暖かいでしょう?」
アラスカのイヌイットみたいな服…
まぁいいか
令司「まぁな。さっきから寒くて仕方なかったんだ」
ユミル「では本題に入りましょう。まずあなたは私の所に来て貰います」
令司には意味がわからなかった。
令司「…は?もう来てるじゃないか」
ユミルは冷やかな表情で話す。
ユミル「いえ、これは私の精神体。私の実態はここから北にあります」
…そうなんだ。
令司「…北と言われてもなぁ」
ここは暗闇、方角なんてわかるハズもない。
ユミル「すぐに明るくなります。遠くに見える雪山の方向に歩いて行けば村があります」
令司は早くこの世界を見たい気持ちが強かった。
令司「そこで情報を集めろって事か。わかった」
もう説明はいらない。
ユミル「最後に一つ。この世界ではあなたは『ギア』と名乗りなさい。本当の名前を出してはいけません」
令司「…それも何か意味があるんだろ?教えてくれ」
令司は好奇心で聞いてみる
ユミル「…もし本当の名前を出せば、あなたは元の世界には帰れません。いいですね?」
令司「…さすがにそれは困るな…わかった、気を付けるよ」
ユミルはうっすら笑い、囁いた。
ユミル「さぁ、行きなさい。氷の勇者『ギア』よ」
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