出会い

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鞄で勢いよく殴りかかろうとした しかしその鞄はストーカーの右手であっさり止まる 「姫、暴力はいけません」 ストーカーは意味のわからない言葉ばかりを口にする 姫ってなによ 私が何で姫なの 一体私を誰と勘違いしてるの 苛々は私の中でふつふつと積もっていく 「姫」 「姫じゃない!黙れストーカー!」 見知らぬ男に姫何て言われて嬉しいと思うか馬鹿やろう 私は姫じゃない 勘違いが人の迷惑にならないところでやりやがれ! ...これを言葉に出せたらどれだけ楽だらう 変な所で私はチキンだ ああそうさどうせチキンさ 「...姫は嫌ですか?」 まだ居たのか どっか行って欲しい 寧ろどっか行け しかし何か言わないとひたすらついてきそうだ ここは丁重に勘違いを伝えるに限る 私って親切 「あの...私姫じゃありませんよ?何かの勘違いじゃないですか?」 にこりと最大限愛想笑いを浮かべる ...浮かべても意味ないかも 既にこの男を私は殴ってる 相手からしたら今更何だと思うかもしれない しかし私は悪くない そう 悪くないんだ
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