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「今文句言ってたヤツ誰だよ!出てこいよ。…お前とお前だろ?」
無理やり2人を連れて私の前に立つ。
「早く飯塚さんに謝れ。」
2人は渋々私に謝罪をした。
「彼氏がいないからってひがんでんじゃねぇよ!次文句言ってたら手ぇだすかんね!」
周りはちょっとした人だかりになっていた。
中学校入学して5日、まだクラスの子もあまりわからず小学校の時からの友達や彼氏であるコウキと過ごすことが多かった。
休み時間にコウキの所に行く度にコウキのクラスの女の子達に聞こえよがしの悪口を言われていた。
それを何故かその人が助けて(?)くれた。
スラッとした身体に大人びた顔立ち、はっきりとした物言いのその人は上杉美咲。
同じクラスの私の後ろの席の人で、5日たった今までほとんど口を聞いたこともない。
すごく綺麗な子がいると話題になっていたけれど、ツンとしていてとっつきにくく、仲良くしている人もいないようだった。
「あ、ありがとう。」
「あんなの言わせてたらなめられるよ!あんたも彼氏ならなんとかしてやりな。」
それが彼女とのはじめての会話。
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