『黒音という詩』

冬の花火

『冬の花火』

この線香花火が落ちたら

あなたを思い出にします。

辛いけど、そう決めたから

あなたを想い、決意をした冬の夜。

冷え切ったこの体には、何も無くて

私には雪解け春は、もう来ないと・・・。

それでも貴方を待ち続け。

凍りつく過去を

溶かすのはあなただけ・・・。
「信じています。」

「またどこかで会えますか？」

頬に雫一筋

「あなたと見た花火が忘れられません。」

この線香花火が落ちたら

あなたを思い出にします
辛いけど、そう決めたから
あなたを想い、決意をした冬の夜。

「辛くない」なんて言えません。

何も無い私。

気が触れてしまう程の痛みを知りました。

「あなたは今幸せですか？」

返事は無くて

夢から覚めない私をどうか殺して。

「またどこかで会えますか？」

頬に雫一筋

あなたと行った公園で、

また火を点ける。

この線香花火が落ちたら

あなたを思い出にします。

辛いけど、そう決めたからあなたを想い、決意をした。

この線香花火が落ちるまで

あなたを想い、泣いています。

雪解けはきっと来るから

「さよなら・・・。」

光る花びらそっと散りました。