プロローグ《舞い降りた、風》

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【早朝、夕霧家。阿木人の部屋】 阿木人(M) 「初夏の、夜更かしを日課にしている男子学生には辛い、刺すような朝日を眩しいと思いつつ、目を開ける」 「見慣れた俺の部屋が角膜、水晶体を通して網膜に写り、映像が脳へと届く。俺の部屋で間違いないようだ」 「心臓に手を当てる。‥‥一定にリズムを保っている。間違いない、動いている」 「もしも、あれが夢であ‥‥‥」 《シア屋根裏から現れ》 シア 「あーぎーとっ!おっはよーっ!!」 阿木人(M) 「前言撤回。やっぱり現実だったか‥‥‥」 シア 「ん~?どうしたの?そんな苦い顔して」 阿木人 「なんでもねぇよ‥‥‥っと(立ち上がる)」 阿木人(M) 「俺がこの少女、シアと出会ったのはほんの二日前のことだ」 「俺の記憶が狂っていなければ、そう俺は‥‥ 死んでいるはずだった」
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