プロローグ《舞い降りた、風》

6/13
前へ
/60ページ
次へ
阿木人 「へ?なんでだよ?」 葵 「なんや?阿木人知らないんか?裏道の殺人鬼のニュース」 阿木人 「俺、あんまニュースとか見ないんだよなぁ」 塔矢 「まったく。お前も高校生なのだから少しは‥‥まあ、いい。裏道の殺人鬼はな、ここ3ヶ月で6人もの人を殺していながら、今だに捕まっていないのだ」 葵 「しかも殺したあとは跡形もなく消えてしまうってことからマスコミじゃ【ミラージュマーダー】って呼ばれてるんや」 阿木人 「幻影の殺人鬼‥‥ね。マスコミもいやなネーム付けるもんだな、おい」 塔矢 「それに、だ。その殺し方も特殊でな。‥‥どうも魂を抜くらしいのだ」 阿木人 「魂を‥‥?」 葵 「発見される死体はどこにも致命傷になるような傷はなくて‥‥なのに身体のいたる所に‥まるで魂が吹き出したような傷がある‥って噂や」 阿木人 「‥‥はっ。なんだよその非現実的なのは。わかってると思うが、俺は‥‥」 塔矢 「信じない、だろう」 阿木人 「たりめーだ。俺は非現実的なもんなんて大っ嫌いだからな。この平和な世の中で満足してんだよ」
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加