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右方から一匹こちらに向かってくる。
だがスピードには自信がある、駆けっこは得意だ。
無線でシルヴィアが誘導。ターゲットまであと1km。
二匹が現れた。追うのは計三匹。ブリジットは走りながら術を紡ぐ。クロードは荷物を破壊するための高位魔法を紡いでいるはずである。
響く遠吠え、敵から放たれる電撃。
跳躍して回避。着地と同時に術を発動。
「シルフィ!」
空気が膨れ上がり爆発。疾風が拡散し、敵の体を吹き飛ばす。
『大変!荷物の中身はアンテナみたい!組み立て始めたよ』
無線の向こうでシルヴィアが慌てた声を出した。アンテナをこんなところに立てて何をするつもりなのだろうか。
目の前に現れた数匹の狼。敵の追撃は止まらない。
「シルヴィア、妨害できない?」
『やってみたけどバリアが張られてて…本軍に報告するね!』
通信が切れ、意識は周りに。
敵の数は増える一方だ。
「狼って悉くしつこい動物ね」
雷撃が飛ぶ。紙一重でかわし、大きく迂回。ターゲットまであと500m。
あの岩場の向こうに謎のアンテナが待ち構えているはずである。
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