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戦場を見下ろせる崖の上。
白獅子は両者一歩も引かない様を見、そして無線に声を通した。
「ベテルギウス、こっちはまだ型がつきそうにない」
無線の向こうから無機質な声が来、獅子は返答した。
「わかった。そっちへ向かう」
シャットダウン。再び下界を見下ろした。
王国は本軍が最前線で戦っているが、帝国は次軍を送り、本軍は出てきていない。
(でも王国は勝てない)
獅子は身を翻し、山越をすべく、疾風のように駆け出した。
一方、狼の群れが縄張りを張った谷である。
王国軍へ電波を送るための仲介アンテナが設置し終わっていた。
「完了ぉ~じゃ、ベテルギウスプログラム発動~」
柔和な顔をした小柄な青年が伸びた声を出す。
指示を受けた男がコンピューターを操作し、エンターキーを押した。
「これで僕ちゃん達の勝ちぃ~」
そんな中、捕らわれた三人は
「あいつらマジむかつく」
鎖に雁字搦めにされたヘビがもがきながら愚痴をこぼす。
「私達ビーストより人間の体の方が大きいから、解除すると絞め殺されちゃうしね…」
後の二人は地に伏せて動かずにいた。
「止めなさいクロード。体力消耗するだけよ」
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