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「…だって。どうする?」
「助けてもらえるならありがたくそうしてもらおうぜ」
とクロード。
「…悪い人じゃなさそうなんでしょ?」
シルヴィアが結論をブリジットに促した。
「…不用心だけど…メリットはそれにしかないみたいね」
三人の結論をすぐに獅子に送った。返答は…
『そう。じゃぁ藪の外に少し出れる?』
三人は鎖の間でできるだけ足を動かし(足がないクロードはブリジットが押して)藪から顔をのぞかせた。
『動かないで』
何をするのかと思いきや、体を縛る鎖に振動が走り、ひびが編み目状に入った。
ブリジットは外側へ力を入れて鎖を壊し、身体構造上力を入れられない2人の鎖を代わりに砕いて、彼に礼を言おうとしてあの岩場に目線を移したが…
「あれ…いない?」
何も言わず消えてしまったのであろうか?本当に何を考えているのかわからないやつだ。
そんな愚痴を頭の中で呟きながら人の姿に戻った、その時である。
『この戦い、帝国の勝利だ。君も早く本陣に戻ったほうがいい』
音が飛んできた。獅子の声の。
「何なのよアイツ」
そう呟いても返る答えはない。
三人は全速力で谷を抜け出した。
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