国境防衛戦

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王国の本陣では機械類にトラブルが発生していた。 「ジャック!状況を説明しろ!」 派手な軍服を着た副将軍が叱咤を飛ばす。 「帝国にハッキングされたみたいっす」 返したのはコンソールに座った青年である。彼はワックスで固めた髪をいじりながら 「おっかしいなぁ…帝国から直接繋げられるわけないし…アンテナでも近くに建てられたかな」 操作盤の上でピアノを弾くかのように青年の指が踊る。 王国軍はハッキングにより無線による通信が断たれた状態に陥っていた。 防御プログラムを立ち上げて送られてきたウイルスの種類を割り出す。 「やっぱりベテルギウスの仕業っすね。しかもご丁寧に新しいプログラムだし…今即興で撃退ワクチンプログラミングするんで、それまで話しかけないで下さいな」 無線トラブルで慌ただしく動く本陣キャンプ。 その中で落ち着きをはらっているのは、プログラマーの青年と、後もう一人。 「クロード達から連絡は?」 巨漢の問いに副将軍が恭しく答えた。 「小一時間前の通信以降途絶えております」
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