プロローグ

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王国と帝国が争っている理由、ブリジット達は王国の大義名分は聞き及んでいるが、帝国側の事情は全くと言っても知らなかった。 今から約二十年前、王国領地のとある町が襲撃にあり壊滅した。 首謀者は当時まだ一領主であった現皇帝ラファイエル。現王国女王アナスタシアの父である前王の手によって何らかの処置がなされた後、事態は落ち着いたかと思われた。 しかし、ラファイエルは数年後、多々の鉱山を中心とした帝国を築き上げ、今から10年前王国の王都に攻めてきた。 それがこの戦争の始まりである。 両国は国境付近で激しい争いを繰り返し、どちらも一歩引かずの状態。ブリジット達が女王直轄の傭兵として雇われたのは二年前。それから隠密として最前線で参戦している。 だがしかし、彼女達は一度として皇帝の姿も、帝国軍の将軍を見たことはなかった。それは彼女達だけにあらず、王国の皆がそうだ。 そして、10年前何故帝国が攻めてきたのか、今も争い続けているのか、その答えを知る者は誰一人としていない。 その日、三人は女王に謁見し諸々の指示を受け取った後、ヤクトの自宅へそれぞれ戻っていった。
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