国境防衛戦

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ブリジットは解放を発動させ、赤い女豹に変態した。 目立つその体にクロードが保護色になる簡易な服を装着させ、自身も解放し、コブラの姿となって豹の背にしがみつく。 「さぁ、任務開始!」 気合いを入れて洞穴からブリジットは飛び出した。 一方上空を旋回するシロフクロウ・シルヴィアは遠目に目標を監視していた。 (…何か荷物持ってるみたい) 二匹の馬がそれぞれ大きな荷物を鞍につけていた。隠密にしては大荷物だ。 しかし商隊がこんな辺境を移動するわけがない。それに、商隊は争いを避けるために自国の旗を掲げる習慣がある。 (何か悪いものじゃなければいいんだけど…) 対する地上の帝国の隠密部隊。二頭の馬を先導する黒い狼が鼻をひくつかせた。 「あ~僕ちゃん気づいちゃったかも~」 気の抜けた声に、馬が反応した。 「王国に見つかったのですか?フレキ様」 その問いに狼は鼻頭を空に向けて探りながら返答する。 「そ~みたぁい。でも大丈夫、僕ちゃん達が挨拶するから、キミ達は先進んでてねぇ」 狼は足を止め、馬を先に行かせた後、一度跳ね、再び鼻頭を空に向け、 そして、谷に木霊する遠吠えが、戦いの始まりを告げた。
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