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「あ、そうそう。ヒューイちゃんに、うちのママからプレゼントがあるのよ~」
「おばちゃんからですか?」
おばちゃんからとは……何か重要な情報の予感がしてきた。
――ルシエラさんの母親はラキス村では、かなり有名なおばちゃんで勇者亭にもよく来てくれる。
何が有名かというと、井戸端会議によるその恐ろしいまでの噂の伝達速度と口の軽さ。
それと無駄にお節介で物凄く口が軽い。
あのおばちゃんに知られた瞬間、その秘密はもはや秘密ではないと言われている程に。
ついた二つ名が『シークレットブレイカー』
ご近所の皆様に恐れられているのは言うまでもない。
ちなみにラキス村の皆には、井戸端会議から取って「井戸のおばちゃん」と呼ばれている。
いつもネタを探し、深夜まで徘徊する程熱心だ。いや、熱心なんて言葉ではすまされない、異常なまでのバイタリティ。
なにかを見つけると「なんですってぇぇぇぇ!?」と叫びつつ驚いたふりしながら、内心「ネタですってぇぇ!?」と満面の笑顔らしい。
口にチャックを装備できれば、一流の情報屋になれるとまで言われているその収集力は、東大陸では知る人ぞ知るレベルだ。
また、ルシエラさんはおばちゃんからネタを仕入れ放題なので、酒場で情報屋のようなこともやっている。
(皆様、このおばちゃんは外伝のバレンチヌスに吠えろ!でも出演しておりますので一度ご覧下さいませ。他のキャラもその内ちょっとだけ出るので見つけたらニヤリとして下さい)
「そうなの。ママからこのチラシをヒューイちゃんに一刻も早くあげてって言われたのよね~」
チラシ……?
ルシエラさんは服の胸元に手を入れ、胸の谷間からチラシをゆっくりと取り出す。
……いったいどこに入れているんですか。ぐっ、目のやり場に困る。ついつい見てしまうのは男の性だろうか。
こちらの視線に気にした様子のないルシエラさんから、そのチラシを受け取る。
ほんのりと温かいのは頭から排除しよう。
「明後日には村中に貼られるらしいんだけど、ママったら勇者亭のファンだからどうしても参加して欲しいらしくてね~」
明後日?明後日公表なのにもうチラシ仕入れてきたのか。相変わらず仕事が早い。
それにしてもただの主婦のはずなのに、いったいどこから情報を得るのやら。
さて、一体何が書いてある……ん?
「こ……これは!!」
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