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しかし……参ったなぁ。俺女の子苦手なんだけど……
「えーと、ランだっけか?泣いてちゃ可愛い顔が台なしだぞ……薬塗れないし」
俺の言葉に反応したのか少女の泣く勢いが少し弱まった。
顔は手で隠されてよく見えないがなぜか耳が真っ赤になった。
「うちぃ……ぐすっ……可愛い?」
反応した!?しかもそこにか……
「ああ、絶世の美少女らしいな(byヒロ)」
その言葉にびくっと反応した少女は鳴咽が徐々に収まっていく。
懐から自らの名前が刺繍されたハンカチを取り出した。城の俺の世話役に持たされたハンカチだ。
「ほら、涙拭いてやるから手をどけろ」
「……うん……」
手をどけると涙でぐちゃぐちゃになった顔が現れた。
そういえば同い年位の女の子と接するの何年ぶりくらいだろ……
ちょっと緊張するな……
ゆっくりと優しく涙を拭いてやる。
「ほら……これやるから後は自分で拭けよ。薬塗ってやるから」
「……うん……あ……ひょっとこ?」
ひょっとこ?あ……お面そのままだったな……
なんとなくお面を外して少女の頭に乗せてやる。
「お面やるから泣き止め」
もうほとんど泣き止み始めた少女はこちらを上目使いで見つめながら大人しくしている。
赤く腫れている頬に薬を塗ってやると赤みが引き完治した。
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