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「お祭り女王?この泣き虫が!?」
全く予想をしてなかった人物との遭遇に、思わず声が大きくなる。
もっとこう……ホーホッホホ!わたくしの華麗なるヨーヨー捌きに酔いしれて御覧あそばせぇ!
……とか高笑いする訳分からない奴が、お祭り女王なのかと思ってたんだが。
「ああ、知ってるのか?」
ヒロは俺が知っているとは思ってなかったのか、不思議そうな顔をした。
「まあ……噂を聞いて見つけたら勝負しようかと思ってたんだけど」
こんな泣き虫がお祭り女王?本気でか。
ヒロはこちらの言葉を聞いて何か思い付いたのか、意地悪そうな顔で口を開く。
「男爵、俺怪我の治療してくるからその間ランを見ててくれないか?」
有り得ない、いきなりな提案に驚愕に目が見開く。
「はぁ!?こんな厄介な奴と!?てか初対面の奴に頼むか普通!?」
なんとか回避しようとして、正論をぶつけてみた。
「大丈夫!ランは昔から人見知りだが、その分人を見分ける目は敏感で人一倍あるんだよ。ランが男に惚れるなんて有り得ない事なんだぞ」
頼む!と手を合わせるヒロ。右手が痛いのを忘れたのか合わせた後、痛みに苦悶の表情を浮かべた。
そんなヒロを見て思わず苦笑する。
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