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「はぁ……はぁ……はぁ……と…とりあえず……屋台……回ろうか?」
浴衣が乱れ、叫び続けたせいで息が荒れる。全力で叫び続けるのも疲れるんだな……
「うん!」
ランもあんなに叫んでいたのになぜか元気いっぱいで返事をしてくる。
なんでこんなに元気なんだこいつ……いつも一時間泣きじゃくってる成果か……?
なんとかランを説得して離れてもらい、二人に注目していた野次馬達も散り散りに消えて行った。
「ん?」
あの焼きそば屋がいないな……逃げたか?ランのせいで気付かなかったな。大丈夫か……?
「どないしたぁん?」
何も知らない無邪気な笑顔で聞いてくるラン。
わざわざ不安にさせる必要もないか……いざとなったら俺が守ってやればいい。
「なんでもない」
まあ、大丈夫かな。見た目だけでめちゃめちゃ弱かったし、あれだけやればもう襲う力もないだろう。
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