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あれ……?そういえば……
ふとある疑問に気付き眉をひそめる。
「そういえば、なんでお前達あの焼きそば屋に殴られてたんだ?」
あんな輩でも、商売をしている以上殴るなんて何もしなければわざわざしないはずだ。
ランは困ったとでも言うように眉をハの字にして言う。
「うちなぁ……料理得意やねん……あ!ここは覚えといてや、未来の旦那さまやもんな!」
「違うけどな」
即座の否定も聞こえなかったかのように、構わず続けるラン。
「あのおっちゃんの焼きそばめちゃめちゃまずかってん……それでつい『まずっ』って言うてもうて……それでな」
その味を思い出したのか顔をしかめた後、ハハハと笑ってごまかすラン。
「お前さ……それは怒るだろ?」
呆れ顔でランに軽くでこぴんをする。困った奴だな。
「あぅっ……けどまず過ぎて……食べてみてや」
ランは勝手に作り置きの焼きそばを持ってきてこちらに渡してくる。
いいのかそれ!?……まあ、慰謝料がわりに貰うか……俺のじゃないけど。
ランに促されるまま箸を受け取り、ズルッと焼きそばを啜る。
咀嚼を続け途中で動きが止まり、目をくわっと見開いた。
こ……これは!?
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