お祭り男爵とお祭り女王のお話(前)

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「分かった約束だ!次会った時はこの焼きそばより美味しいやつ頼むぞ」 思わずと言った感じでそう口走ってしまった。ランの顔がパァァァっと輝く笑顔に変わる。 「うん!約束やぁ!大陸一美味しい焼きそば作るもん!」 「……お前は自分でハードル上げるやつだな」 「ほんまやもんねぇ。へへ~」 面白いやつだなぁ……表情がころころ変わって楽しいし。 「あ、男爵!このハンカチもその時洗って返すから!」 「ああ。さてそろそろ屋台巡りと行くか」 「あうぅ……実はうちお金ないねん……ヒロが持ってるから……」 ヒロ……お前って奴は…… まあ、金は王に一年は遊んで暮らせる程には貰ってるから困ってないし…… 「心配すんな!俺が奢ってやるよ。大陸一の焼きそばの代金の前払いだ」 ランは今の言葉に感動したのか、両手を胸元で組みうっとりとしながら呟く。 「男爵ぅぅ……」 バッファローランが本日二回目の突進を繰り出した。 「ぐあぁぁぁ!?……み……鳩尾に……ぐぅぅ」 見事鳩尾に頭が命中し息が詰まったようで苦み悶える。 「男爵愛しとるぅぅぅ!!今から神社で式あげよぉぉ!! 」 「離せぇぇぇぇ!!」 またもや十分程この見苦しいやり取りが続き、再び皆様の生暖かい視線に晒される事となった。
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