お祭り男爵とお祭り女王のお話(前)

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んー的の景品は……お菓子にぬいぐるみ、時計にティッシュ、本…… 確かに景品の数は多いけど、明らかにいらないものも多いな。けどそこを狙うのが面白いんだよな。 キョロキョロと視線をさ迷わせ欲しい物を探す。すると一冊の古そうな黒い本が目に入ってきた。 ん!?あれは世界の拷問抜粋百選!!あんなレアな本が射的屋に!? 販売当時全く売れずに人気皆無のために店頭ではなかなかお目に掛かれず品薄で、今では貴重な本である。 マニアの間ではかなり高値で取引されている訳だが…… 無造作に置いてあるとはこの親父知らないようだな。チャーンス! 問題は一発じゃあ到底倒れないってことだよな…… 「男爵ぅ!あのクマちゃんのぬいぐるみ取ってぇぇ!」 は? ランが隣でそう言いながら指差す先には大きなクマのぬいぐるみがあった。 わざと作ったのか、なんだか目つきが悪く可愛くないクマのぬいぐるみ。 しかし、ランの目がキラキラと光り輝き、あのクマちゃんしか目に入らないぜオーラを放つ。 マジでか…… 「……あいよ」 ランの言葉に生返事をしてゴムに玉を乗せぎりぎりまで引き絞り。 放つ。 間髪入れず目にも止まらぬスピードで強引にゴムを戻しまた放つ。 さらにもう一発放つ。
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