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「おっちゃん!後二回やらして」
「あいよ!!」
店主の威勢のいい声が響きお金と共に玉を六つもらう。
さて……試して見るか……
またもや最初に見せた三連射を使い、クマのぬいぐるみにぶち当てた。
……どうだ?
クマはランの時より動いたが倒れるまでは到底いかない。
やっぱり……
「男爵ぅ……多分あのクマちゃん……」
ランの顔が曇り呟く。
「ああ……」
中に重りかなんか入ってるよな……まあ、出店じゃあよくある話だけど……この俺にそんな真似をしてただで済むと思うなよ。
「おっちゃん!ちょっとあのクマ触ってもいいか?」
射的屋は明らかに嫌そうな顔をする。
「だ……ダメダメ。そこから動いちゃだめだよ」
「ふーん……残念……」
まあ、聞いてみただけだけど……やっぱり怪しいな。
やはり、お祭り男爵奥義を出さなければいけないか……
「男爵ぅ……もうええよぉ……ありがとなぁ」
「ラン……諦めたらその時点でどんなことも叶わないんだぞ」
「けどぉ……」
ランの頭を撫でて笑い掛けた後。左手を逆手にして胸元に掲げ、ペコリとお辞儀する。
「女王様、この男爵めにお任せ下さい。必ずやクマを倒してみせます」
ランはこちらを見つめながらうっとりとしてる。
「あぅぅ……男爵ぅぅ……取ったらうちのファーストキスあげるぅぅ」
「……さてやっぱり帰るか……」
「冗談やぁぁ!!クマちゃん取っててぇぇぇ!!」
「任された」
自信満々にニヤリと笑い腕を捲る。
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