お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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……聞いたことあるな。 実力はあるが性格に問題があり、城の宮廷魔術師試験に落ちたと噂が広まっている魔術師。攻撃魔術マニアで破壊狂であるとも噂されている。 ……厄介だなぁ。 離れていたとはいえ、俺が気付かないレベル。だとすると恐らく気配を消す風か、闇の魔術でも使った可能性が高いだろう。 ……まあ、ゲログルガはいるだろうな。もしくは完璧に気配を消せる達人クラスか。 ヒロの話だと新しい奴でも入らない限り、その魔術師だろうけど。 闇は初級でも危険で高度な属性だから、闇の魔術じゃないといいけど。 救いは相手が本気ではないだろうってことかな、子供相手だしきっと油断している。 多分魔術師もたまたま近くにいたんだろな……ついてない。 子供相手だし、数はそんなに多くないか?焼きそば屋に魔術師……後は何人かいるかいないかか。 集中して神経を研ぎ澄まし、周りを探る。 監視はないみたい……だな。 それにしても厄介な敵みたいだ。やっぱり剣持ってくれば良かった。 「ヒロその魔術師多分いるよ」 「マジか……」 出来れば聞きたくなかっただろう報告を聞き、ヒロの表情が曇る。 「選択肢の一つは今厄介な魔術士がいないであろう、モスカを人質に取りランと交換する!もう一つは騎士団に援護……ゲフンゴフン!……ああー……あれだ。助けて貰う」 さすがに俺が騎士団率いて倒すなんて言うのはまずいか…… まあ、騎士団引き連れて俺の援護を頼んで一網打尽にするのが確実かな……俺の剣も持ってきて貰わないとな。 騎士団が到着する間にランがどうなるかは保証できないけど……まあ、さすがにロリコンの変態でもいなけりゃ貞操は大丈夫だろう。 奴らにとっても無駄な殺しは騒ぎがでかくなるから、殺しはなるべくは控えたいだろうしな。 ましてや相手はガキの俺だし。 別に始めて会った女の為に命の危険まで侵して無理しなくても…… その時脳裏に今日の出来事が浮かんできた。
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