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「ヒロ作戦通り行くぞ?」
俺は焼きそば屋達に聞こえないように小声で呟く。
「わ……分かった」
ヒロは震えてはいるが瞳は力強く、覚悟を決めた光が見えた。
二人は打ち合わせした通りに配置に付きタイミングを見計らいお互合図を送り合う。
『ハーハッハッハ!!!!』
林にどこからか高らかな笑い声が鳴り響く。
「「「なんだ?」」」
いきなり響いた笑い者に男達の声がハモる。
『一夜一夜に人見頃……漢字が合っているかも意味さえもわからぬが。悪党達が狂う祭の夜……ひょっとこお面に浪漫の嵐!!』
男達はあまりの意味の分からない台詞に、顔を見合わせ混乱している。
『今宵は悪が滅びる夜……月夜とうなじがセクシーな浴衣のお姉さんを見納めに旅立つがよい……』
「姿を見せやがれ!!」
男達の一人が叫ぶ。
『上を見るがよい!悪党供!!』
男達が上を見と木の上に腕を組みひょっとこのお面を被った浴衣を着た少年がいた。
「お祭り男爵参上!!!!!」
台詞と共に自ら爆竹に火を点け投げる。小刻みに爆裂音が鳴り響く。
なんとも微妙な演出である。
そんなひょっとこお面の姿を確認した焼きそば屋が真っ先に口を開いた。
「貴様お祭り男爵!!よくも俺の顔をぼこぼこになるまで蹴り飛ばしてくれたな!」
「ハッハッハ!男前になったじゃないか」
男はひょっとこにバカにされ顔を真っ赤にし、激昂して怒鳴る。
「ふざけるな!!降りてきやがれ!!」
「ハッハッハ!登ってみたのはいいのだが下を見ると足が震えて降りれん!」
よく見ると足がプルプル震えている。
辺りがシーンと静まり返った。
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