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「助けて下さい!!」
木の上から切実な願いの叫びが轟いた。
ゲログルガが心底呆れたような声で焼きそば屋に呟く。
「お前あんなやつにボコボコにされたのか?」
「なさけねぇな……」
男の一人が同意する。
「たまたま近くにいたからって、わざわざゲログルガさんを呼ぶ必要なかったんじゃね?」
男達は冷たい態度で焼きそば屋を突き放した。
「ハッハッハ!全くゲロちゃん達の言う通りだな!」
なぜか便乗するひょっとこ。
「小僧!略すな!!」
禁句を言われた白髪混じりの髪に、黒いローブを着たゲロちゃんは青筋を浮かばせつつ吠える。
続いて焼きそば屋は木の上に向かって怒鳴り込んだ。
「ガキ!テメェ、引きずり落としてやるからな!!」
完璧な八つ当たりをぶつける焼きそば屋。
「ハッハッハ!私はここからでも攻撃できると言うのに愚かな!」
「ほう……やれるもんならやってみやがれ!!」
焼きそば屋が怒鳴る。
「後悔するがいい!!」
ひょっとこは人差し指を立て男達の方に向ける。
全員が木の上のひょっとこに注目する中ひょっとこは大地に轟けとばかりに叫ぶ。
「お祭り男爵ハリケーン!!」
その声が響いた瞬間、空気を切り裂く音が聞こえたかと思うと、男の一人が膝を押さえうずくまり泣き叫ぶ。
「痛ぇぇぇ!!あ……足が何かに撃ち抜かれたぁぁ!!」
男の膝から血がどくどくと溢れ出てきた。
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