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ゲログルガは炎を放った瞬間詠唱をしていたようで、今だ空中にいる俺に向かい唱える。
「集え、雷鎗!!」
ゲログルガの手に槍の形をした雷が現れる。電気が集束してバチバチという音が聞こえてくる。
ゲログルガはそのままこちらとランに向かって投げつける。
雷は一直線にかなりのスピードで迫りくる。
詠唱が早過ぎる!呪文を弄って短縮してるのか!?だとしたら城の宮廷魔術士よりも格上だぞ!?
「チッ!ラン……ちょっと我慢しろ」
そう言って空中でランを自分の後ろに投げ飛ばした。
着地した瞬間雷の槍が胸に吸い込まれるように命中した。
「ぐあああああ!!」
体に電流が流れ、体が焼け付くような痛みに堪らず地面を転がり回る。
「男爵!!!」
ランの悲痛な叫びが林に響いた。
「来るな!!」
そう叫び、体は少し焼け焦げ煙りを立てながらもむくりと立ち上がる。
「ほう……器用な奴だな……」
ゲログルガの左肩には木の棒が突き刺さっていた。焼きそば屋との戦い前に懐に仕舞っていた綿菓子の棒に気を込めて投擲したのだ。
雷の槍が体に当たる瞬間気を身に纏いダメージを最小限に押さえんだけど……
「たく……なんて威力だよ……気の鎧の上からこのダメージかよ……」
「心配するな……次は楽に殺してやるさ」
肩に刺さる棒を引き抜き冷徹に言い放つゲログルガ。血を見ただけで動揺する焼きそば屋達とは格が違いすぎる。
ゲログルガの魔力が急激に高まり始めた。
これは……強い魔術が来る。
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