お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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ゲログルガがの突き出した右手から、三メートル程の大蛇の形をした炎が現れた。 高密度の炎に空気が揺らめき、辺りの気温が急激に上がり暑さにより大粒の汗が流れ落ち地面を濡らす。 ゲログルガのやつ喋りながらも小さく詠唱してたみたいだな…… 炎か……しかもこれ程強力な魔術を躊躇せずこんな林で。余程制御に自信があるみたいだな。 「なあ……あんたなんで宮廷魔術士試験落ちたんだ?戦って分かる。あんたは魔術に関してならこの国で負ける者はいないと思う」 性格に多少問題あってもこの腕なら国は欲しいはずだ。 その言葉を聞いた途端ゲログルガの顔が苦渋に染まり出した。 「落ちたとしてもこんなしょぼい奴らと犯罪を侵す必要ないだろ?どこでも雇ってくれるはずだ」 「黙れ……黙れ!!黙れ小僧!!!貴様に何が分かる!!!!」 禁句に触れたのかゲログルガは激昂し目を見開き感情の奔流をぶつけてくる。 それでもそんな迫力にも臆さず真っすぐ見据えた。 「ミスター・ゲログルガ……俺とあんたは多分似ている。だから知りたいだけだ……俺はあんたをバカにしない」 ゲログルガはその言葉に眉をひそめ、徐々に冷静さを取り戻していく。
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