お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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「……ふん……どうせお前は死ぬ……最後に聞かせてやろう……」 何か感じる所があったのか素直に口を開いた。 「小僧……エスラの王は腐ってる……知っているか?そう例えば……七つの騎士団、大層な数だな?なぜか分かるか?」 「ああ……貴族の為だな」 そう……七騎士団の隊長は五名が貴族で構成されている。 実力なんてない……ただ家名の偉さだけで決められる。 実力はないが地位だけはある貴族が好き勝手に下の者を自己満足に使う為だけにできた制度だ。 「話が早いな小僧……エスラの王は優秀な人材よりも貴族を選び、擁護する……」 確かにな……俺が騎士団の隊長に任命されるのも異例中の異例でほとんどは使えない貴族ばかりだ。 「確かに宮廷魔術士試験は俺が実力は飛び抜けていたさ……」 ハハッと自嘲気味に笑い、話を続ける。 「けどな、貴族のお坊ちゃまが言いやがったんだよ……『残念だなぁお前、今回は必ず僕が受かるようになってんだよ、ハハハ。バーカ!何頑張っちゃってんの?可哀相~』ってな」 成る程な……実力がないのに偉そうな貴族のやりそうな事だ…… 「八つ裂きにしたかったが流石に我慢して睨みつけるだけにしたさ、けどそれが気に入らなかったようでな……難癖つけて権力で俺を問題ありの魔術士と仕立てやがった」 「成る程……」 恐らくその貴族が手を回し偽りの出来事を作り上げ、この国中に触れ回ったんだろうな……
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