お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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「馬鹿な小僧だ!木刀で上級魔術を防ぐ気か?笑わせてくれるぜ」 余裕の表情で笑うゲログルガにランは恐怖で震えている。 「男爵ぅぅ……無理やぁ!一緒に逃げよぅ……」 ランを安心させる為、ふざけた喋り方で言う。 「女王様……私を信じて下さい。必ずやあの大蛇を叩き切って差し上げましょう」 しかしランは不安げに鳴咽を漏らしたままだ。 「ぁぅ……大丈夫……なん……?」 「たく……俺を信じろ!!」 いつも通りの力強いストレートな言葉にランの鳴咽が止まり、まだ涙を浮かべたまま元気よく答える。 「うん!」 その時ゲログルガが唱えた。 「暴れ狂え!大炎蛇!!」 炎の大蛇はまっすぐに、骨も残さず焼き尽くさんと俺達の方に迫り来る。 俺を誰だと思ってるんだ……貴様達が忌み嫌うエスラの赤い悪魔だぞ!! 感情の高まりと共に瞳が深紅に光り輝く。 腕と足の魔力を高め、木刀にも自らの魔力を注ぎ込み炎に向かい神速で走り出した。 ヒューイの剣は竜をも切り裂く為に編み出した柔の剣。その剣は竜の炎や魔術さえも切り裂く。 大上段からまっすぐ下に振り下ろす斬撃が繰り出された。 あまりのそのスピードに風と衝撃波が巻き起こり、炎の大蛇を一刀両断にして消し去った。
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