お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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「なあ、本物の仲間って何か知ってるか?」 神速の動きを見せるがゲログルガはしっかり見据え、破壊の威力が込められた杖を伸ばす。 確かに速いが直線だけの攻撃なら見切れる! それを紙一重で躱して、構わずに真っ直ぐ進む。 「なあ、知ってるか?仲間ってのは俺より弱くても少しだけ年上ってだけで、俺を庇い。俺を助けようとしてくれる事を……」 「炎よ!」 「知ってるか?逃げようと思えば逃げれるのに……」 ゲログルガの呪文と共に手から炎が放射される。 「なんの訓練もしてないのに、遥かに格上の大人相手に命懸けで仲間を救おうとする事を」 体を右側に倒しながらその方向に駆け抜け、炎を回避しながら距離を取る。 「知ってるか?さっきまで震えて動けなかった少女が、俺の為なんかに震える手足を無理矢理動かして、手助けしようとしてくれる事を」 「ヒューイ!!」 ランの声がこちらに届いた。 ゲログルガがランの方をちらりと一瞥すると、ランは気絶している男の持つ剣を奪い両手を使い遠心力に任せこちらに向かって投げていた。
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