72332人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言うとランとヒロの顔が悲しみに変わった。
「お前ら……そんな顔したらこっちが辛いだろ?」
俺も悲しいんだよ……そんな顔しないでくれよ……両親を亡くして以来、心を許せると思った奴なんて初めてだから……
「ヒューイ、せっかく仲良くなれたのに寂しいなぁ」
「うちは悲しいないもん!また会う約束したもん!!」
寂しそうに笑うヒロ。だがランはその言葉に我慢出来なかったのか、声を荒げて否定した。
そんな涙がこんもりと浮かんでる目で言われても、説得力がないんだけどな。
「けどさ……もうじき大きな戦争始まるらしいよな、ヒューイも行くんだろ?もしかしたら……」
ヒロの言葉に安心させるように、笑顔で答えてやる。
「約束は守る。勇者嘘つかないってな、ハハハ……ラン?大陸一の焼きそばとハンカチ返してくれるんだったよな」
ランの頭を撫でつつ穏やかに言う。絶対の保証なんてある訳がない。それでもこう言いたかった。
「うん!約束や!あ、うちの村に伝わる約束の儀式あんねん」
儀式?
「そんなのうちの村にあったっけ?」
ヒロがそうボソリと呟いた途端ランの蹴りが命中し、涙目で蹴られた足を押さえうずくまり呻く。
最初のコメントを投稿しよう!