お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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さて…… 「ゲロちゃんに、焼きそば屋、そして名も知らぬ二人……起きろ!」 縄に縛り付けた気持ち良いくらいに気絶している男達を、一度ぐるりと見回してから蹴り飛ばした。 「「「男爵!?なにしやがる!!」」」 突然襲った俺の鋭い蹴りにより、男達は一斉に目を覚まし叫んだ。 「うん。せっかくだからモスカの居場所聞いておこうと思って」 「俺達が素直にボスを売ると思うか?」 焼きそば屋が馬鹿が!俺をなめるな!とばかりに、凄味を効かせ不敵に笑う。 「思うね」 そう言いながら懐から一冊の本を取り出した。題名は『世界の拷問抜粋百選』 射的で取った本だ。 その夜、男達の悲痛な叫びが林にこだますこととなった。 その後ゲログルガ達は城に引き渡され、モスカファミリーもヒューイ率いる討伐隊により壊滅した。 後に戦争が本格的に始まりエスラとヴェノアの長きに続いた戦いは雌雄を決し、終結することになる。 そして再び祭りの季節がやって来た。
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