お祭り男爵とお祭り女王のお話(後)

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「……ラン」 ヒロはランを抱きしめてやる。ランは更に勢いを増して泣き出した。 「ラン……今度ヒューイの墓に行こう。信じるのが嫌でまだ行ったことないけどさ。きっとあいつ寂しがってるよ……お前の焼きそばを供えてやろう……きっと喜ぶよ」 短い時間でできた確かな強い絆…… ヒューイは最後の最後に一番欲しかったものを手に入れたのだろうか。 守りたい者を見つけ……それを守り通す為に戦い抜いた少年。 それは何も見つけられずに、ただ戦い命を落とすだけよりも遥かに幸せなことだろう。 「なあ、ヒューイ……そっちにも祭はあるのか?……今度は絶対三人で回ろうな」 突如突風が吹き荒れどこからか風に乗り、ふわりと何かがヒロとランの目の前に飛んできた。 ひょっとこのお面だ…… ゆっくりと目の前に落ちる……それはまるでヒロの言葉に返事をするかのように…… 祭囃子が鳴り響く……それはまるでヒューイへの鎮魂歌のように風の中に消えて行った。 ダ ガ コ レ ハ イ ツ ワ リ ダ ――コレハイツワリノオワリ――
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