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「……ラン」
ヒロはランを抱きしめてやる。ランは更に勢いを増して泣き出した。
「ラン……今度ヒューイの墓に行こう。信じるのが嫌でまだ行ったことないけどさ。きっとあいつ寂しがってるよ……お前の焼きそばを供えてやろう……きっと喜ぶよ」
短い時間でできた確かな強い絆……
ヒューイは最後の最後に一番欲しかったものを手に入れたのだろうか。
守りたい者を見つけ……それを守り通す為に戦い抜いた少年。
それは何も見つけられずに、ただ戦い命を落とすだけよりも遥かに幸せなことだろう。
「なあ、ヒューイ……そっちにも祭はあるのか?……今度は絶対三人で回ろうな」
突如突風が吹き荒れどこからか風に乗り、ふわりと何かがヒロとランの目の前に飛んできた。
ひょっとこのお面だ……
ゆっくりと目の前に落ちる……それはまるでヒロの言葉に返事をするかのように……
祭囃子が鳴り響く……それはまるでヒューイへの鎮魂歌のように風の中に消えて行った。
ダ ガ
コ レ ハ
イ ツ ワ リ ダ
――コレハイツワリノオワリ――
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